障害者と健常者の接点を探る

主夫による脳性麻痺の子供の話。ご意見ご感想頂けると大変嬉しいです。m.jigglerアットマークgmail.com

vs.結婚式【準備編】

2歳年下の弟が結婚式を挙げたのは12月の頭のことだった。

遡ること1年前、弟から結婚するかもと報告を受けた時、シュウをどのように参加させようか本気で悩んだ。当時はまだkikuoたちケアの手技もトラブルシューティング能力もレベル3だった。結婚式参加は最低でもレベル30はなければクリアできないイベントなので、レベル50はあるベテラン看護師さんを雇おうかと本気で考えていた。長時間の拘束となるため子ども医療券は適用外。自費での召喚となるといくら掛かるんだぜッ!とか、式に参加するのだから看護師さんもご祝儀必要だよね、、、?とか、その時のご祝儀は、メイクアップ代は、着付け代は、kikuo家が出すのか??などなど。あー世知辛い世の中だよなあと、真夜中に妻と相談したのはいい思い出である。

 

1年も一緒に生活していれば自ずとレベルは上がる。特に春先からの成長は目を見張るものがあり、東洋の奇跡と表現された戦後日本の急激な経済成長を例にならって、房総の奇跡と呼ばれているとかいないとか。

現在kikuoはレベル35なので、看護師さんを召喚する必要はない。シュウを連れて結婚式の参加することに何ら不安なし。まさに赤子の手を捻る、である。

もちろんシュウもこの間にレベル上げを怠らなかった。何かこじらせるとすぐにPICUに連れていかれた1年前、今では体調不良による入院はほぼない。毎日のようにお姉ちゃんたちに修行(という名のイタズラ)をつけてもらっているからだろう。いやーいい枕だなーと言ってうつ伏せで寝ているシュウの背中に、頭部を載せる長女(高負荷荷重を与える修行)、いいケツしてんなー!とシュウのお尻をバシバシ叩く次女(打撃系の修行)。休むことなく毎日修行を受けるシュウ、kikuo家のリビングは精神と時の部屋と化している。そりゃ体力もつくわ。

 

結婚式についてのシュウの様子は次回のエントリで書くとして、今回は前日の様子について書きます。

 

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シュウはまだ赤子だとは言っても、式に迎えるにあたり新郎新婦にはそれなりのコストが掛かっている。引き出物、食事はないにしても、座席の準備、各種印刷物への記載など、準備に時間を割いているだろう。医療的ケアが常時必要だということで、いらぬ心配をかけたかもしれない。だから彼にも持たせることにした。ご祝儀を。

 

 祝儀袋には記名が必要だ。kikuoが書いても良いが、シュウが書いたほうが気持ちは伝わるだろう。文字とはそういうものだ。だからまず筆ペンを持たせて練習した。

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「あーオレ...また何かやらされる。」

 

 

長女に任せていたがうまくいかず、妻も加わり2人掛かりで。

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 「これ、既にオレの字じゃないよね??」

 

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「…‥もう...任せるわ......。」

 

で、完成。

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ご祝儀で大事なのは金額よりも気持ちだろう。シュウにとっては30円は大金だ。もちろん割り切れないように10円玉を3枚入れた。

 

ちなみに封筒に書かれた謎のイラストは長女が描いたもの。先日までkikuo家で大流行していたモンゴリアンデスワームを描いたのかと思ったが、正解はアイスクリームだそうです。レンコンにも見えるなー。

 

これでシュウも大手を振って結婚式に参加できるでしょう!

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プロフィール

kikuo_tamura

社会福祉士/非営利組織専門の広報戦略コンサルティング会社 JIGコンサルティング代表 https://www.jig-consulting.com/

2016年6月、重症新生児仮死にて長男が生まれたことから、医療的ケア児関連に特に興味があります。

趣味は登山、トレイルラン、キャンプ、子どもを追い回すこと。千葉県生まれ。
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