瞬間、心、重ねて
リビングに子ども用の布団をひき、シュウは日中そこで過ごしている。
まだまだ体は小さいので、縦120cm×横75cmの子ども用布団でさえ大きく感じる。使われる面積はおおよそ1/3だろうか。彼がリビングでゴロゴロしているものだから、姉たちもそれに習い、ゴロゴロしながら18時のテレ東アニメを楽しんでいる。あと朝のEテレも。
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ソファーなし、座布団なしの我が家なので、シュウが使っていない残り2/3の布団の部分について領土問題が発生している。つまり2/3の布団がどちらの領土に属するのか、姉二人で争っているのだ。
友好的に領土を分け合えば良いものを、やれ狭いだの、さっきはお前が使っていただの、係争地域の実効支配を巡る深刻な対立が絶えない。kikuo家には領海や排他的経済水域などの制度は存在しないため、単純にふかふか資源が乏しいのが争いの原因なのだろう。シュウの布団を支配できなければ、直に床でゴロゴロするしかなくなるため、彼女たちに取っては死活問題なのだ。直で床ゴロは身体が痛くなるもんね。親としては「シュウの布団について領土問題は存在しない」との立場なのだが。つーかイス座れし。
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親への訴えかけ、理論武装、チョコを使った交渉、結局は抵抗を実力により排除し、この日は、長女が実効支配を確実にした。しかし争いで疲れ果て、すぐ寝てしまった。その時の写真がこれ。
同じ格好で寝てる。
別の角度から再度検証してみる。
やはり同じだ。
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皆様は新世紀エヴァンゲリオン第9話「瞬間、心、重ねて」を覚えているだろうか。第七使徒イスラフェルと戦うため、シンジ君とアスカが完璧なシンクロを身に付けて戦う、あの回である。エヴァンゲリオンはパイロットとA10神経を接続し、この時のシンクロ率が高くなければエヴァンゲリオンが動かないのはご存知の通りだが、第9話は更に人間同士の動きのシンクロ率も求められる大変厄介な回であった。
シンジ君とアスカは数週間寝食を共にしトレーニングを重ねシンクロを身に付けたが、シュウと長女は完璧なシンクロを即達成した。顔の向きといい、左腕の角度といい、偶然とは思えない。夢の中で、分離するイスラフェルに対してコアへの2点同時過重攻撃を行なっているに違いない。「Both of You,Dance Like You
Want to win!」も脳内再生されているんだろうな。
これなら我が家に使徒が襲来したとしても問題なさそうである。渚カヲルに次ぐ、シックス、セブンスチルドレンとしてNELVに推薦してみよ。
おわり