座位保持椅子が届いた
【 シュウ、座位を語る 】
『クリエイティビティを養うのに必須アイテムはやっぱ椅子ですね。
仰臥位とかいう身体の長軸を重力ベクトルに対して水平に静止させた水平位なんて、
時代遅れですよ。正直ね。
敵にウィークポイントを晒してるようなもんですよ。犬じゃないんだからさ。服従かよって。
これじゃ結果にコミットできません。
医療的ケアは命を賭けた戦争なんですよ。
だからこそ時代のトップランナーは座位であるべきだと思いません?アグリー?
そうでなければ医療の現場においてブレイクスルーはできないと断言できます。
ほら、エグゼクティブ連中がよく言ってますよね。
21世紀は「 A I 」、「 B I 」、「 Z I 」の時代になるって。
「 Z I 」のトレンドを抑えるのは、ナポレオンヒルの教えをアップデートさせた、21世紀型の成功哲学ですよ。アグリー?』
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以上のようにシュウから強い要望があり、障害福祉サービスの一種『日常生活用具給付*1』を申請し、座位保持椅子を作製した。
kikuoの住む市町村は座位保持椅子の場合、利用者負担は0円。
50マソの見積もりが届いた時には、バチバチの一重で大概開いていないkikuoの眼球が驚きでこぼれ落ちそうになったが、負担ゼロと聞いて胸をなでおろしたのは言うまでもない。
特注品なので、採寸から納品まで約2ヶ月かかった。
購入したのはこの商品。
春先に行った福祉機器展にて、あーでもないこーでもないと妻はブースをチョロQのように動き回り、商品を比較していたが、最初からkikuoはこの商品の一点推しだった。
なぜってネーミングが良い。
パンダだぜ、パンダ。
可愛い響きがある半濁音の「パ」から始まり、
なんとも収まりの悪くて発音しづらい、五十音の最終文字を担う「ん」で繋ぎ、
力強い印象を与える濁音「ダ」で締める。
一貫性のない「パンダ」と言う3文字の組み合わせだからこそ不思議な力が宿るのだろう。
FIATにもパンダという車種があるし、上野動物園のパンダには平日の昼下がりでさえも人だかりができているし、
パンダは人を惹きつけてやまない。
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ごつい座位保持椅子。オールブラックでかっこいい。ハカ踊らなっきゃ!
今までは床でゴロゴロだったが、椅子に座ることができるようになると、食卓も囲むことが可能となった。
きょうだいでDVDを見る。微笑ましい。