時間の価値、人の価値
先日、自家用車を車検に出した。
ユーザー車検でもない限り、きっちりと点検をお願いすれば
車検って1〜2日かかるものだと思っていたのだけど、
朝一で出せば夕方には受け取れるらしい。
こんなに早かったけ。
どんな手順で車検が進んでいるのか詳しくないのだけど、
部品の在庫管理や、年式、走行距離別による故障リスクの数値化などで
IT技術が応用されて、時間短縮に貢献しているに違いない。
Amazonではプライム会員登録すれば即日到着するし、
今月からはAmazon Dash Buttonというサービスも開始された。
消費者としてはとても便利なんだけれども、
本当にこれでいいのかなあと、すっきりしない。
現在の技術では、今まで僕が物やサービス購入のために負担していた
時間や作業量などをゼロにする力はなくって
僕が負担していたものを、誰かが負担しているに違いない。
負担してくれている人はどんな気持ちなんだろうか。
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社会人一年目の時に少し背伸びして買った機械式時計を
オーバーホールに出した。
部品が錆びてきたのか、ゼンマイを回すとシャリシャリと音がするようになってきて
一日に5分ほどズレるようになったからだ。
オーバーホールには二ヶ月ほどかかるらしい。
が、それほど悪い気はしていない。
思入れのある大切な時計なので、2ヶ月でしっかり治って戻ってくるのであれば
喜んで待とう。
この待ち時間込みで、機械式時計を所有するということなのだろう。
早い、安い、という価値観だけでは成立しない世界もある。
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専門性が高く、細かい作業や洗練された技術を要する分野では
職人さんが多く活躍している。
ITが発達して、人と人、人と物の距離が、物理的にも時間的にも心理的にも近づき
人工知能が日常生活に影響を及ぼし始めていけれど
この先も人間にしか任せることのできない部分は多く残るのだろう。
以前、AIが仕事を奪うなんて記事が話題になっていたけど
奪われる仕事って実はあんまりないんじゃないかなあ。
本質はAI vs 人間ではないような気がします。
PS
丁寧に、一つ一つの工程を大切にものを作っている人たちが
評価される世界ってとっても憧れますねー。