障害者と健常者の接点を探る

主夫による脳性麻痺の子供の話。ご意見ご感想頂けると大変嬉しいです。m.jigglerアットマークgmail.com

時間の演出

シュウが産まれて4ヶ月が経過しました。

 

出産後から『色々』とありましたが、今は何とか、

重症新生児仮死の子ども、

医療的ケアが必要な子どもと生活していく、

覚悟というか、受け入れというか、

そういった類いの感情が、頭にあると自覚しています。

 

家族5人、このまま穏やかに生活していきたいなと、

心底思っています。

 

『色々』と書きましたが、何をしたのかというと、

病気についての情報収集であったり、

夫婦で話し合ったり、

先生に気持ちをぶつけたり、

先輩ママさんにアドバイスをもらったり、でした。

 

でも振り替えると、『時間の演出』が

大きかったのかと思ったりしています。

 

処理仕切れない情報と共に過ごす時間、

理論的に考えることができず、

涙とかため息とか愚痴とか、

自分のなかから溢れ出すものに蓋をできず

世界へこぼし続けていた時間、

チューブだらけのシュウを、ぼーっと眺めた時間、

さらに言えば、シュウのことをひとまず

頭の片隅に寄せて、仕事をこなしていた時間さえも、

積み重ねることができたからこそ、

今の自分があるのかなと思うのです。

 

そう考えると、 産まれてきてから今まで

シュウについては無駄な時間はありませんね。

 

この4ヶ月間の自分が、少しだけ救われます。

 

******

 

仕事で医療的ケア児連絡協議会というものに

参加している関係で、

先日、特別支援学校を見学する機会を得ました。

 

結論からいうと、『行かなきゃよかった』

 

学校では、小中高の子どもたちが、

医療的ケアを受けながら、授業を受けている様子を

見ることができて、仕事としてはとても勉強になる機会でした。

 

ても親の視点が入ると違う。

 

そこにはシュウが進むかも知れない現実が広がっていた。

 

教育って何だろう、

機会って何だろう、

親って何だろう、

子どもって何だろう。

 

哲学問答1000本ノックを受けているみたいで、

息苦しくなった。

 

結局のところ、僕の覚悟というのは、

シュウの人生を全て背負い込んだものではなく、

乳幼児期限定のものだったのだろう。

 

体調は落ち着いているとはいえ、

3歳までは一緒にいたいな、という心の持ちようで、

今もシュウとは関わっています。

つまり、成長して学校へ通い、社会に出ていくなんて、

全く想像してないんですよね。

 

そんな中で、現実的に検討できるほど

特別支援学校へ行く可能性もあるだなと。

授業風景は、そう思わせるには十分な程に説得力を持っていました。

 

現実を受け入れるためには、まずは現実を知ることが必要だけど、

まだまだ僕には、時間の演出が必要みたいです。

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プロフィール

kikuo_tamura

社会福祉士/非営利組織専門の広報戦略コンサルティング会社 JIGコンサルティング代表 https://www.jig-consulting.com/

2016年6月、重症新生児仮死にて長男が生まれたことから、医療的ケア児関連に特に興味があります。

趣味は登山、トレイルラン、キャンプ、子どもを追い回すこと。千葉県生まれ。
ご意見、ご質問など、メールをいただけると、とても嬉しいです。
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