障害者と健常者の接点を探る

脳性麻痺の子供の話。たまにマーケティングと社会福祉士。ご意見ご感想頂けると大変嬉しいです。m.jigglerアットマークgmail.com

福祉のマーケティング戦略〜あなたの想いを伝える技術〜①

幣ブログでも告知していた「こどもフェスタinとうかつ~五感で育つこどもたち~」は、残念ながら中止となってしまった。というのも、kikuoが住む地域で麻疹が流行してしまったのだ。運の悪いことに、麻疹の発生場所と、イベント会場が目と鼻の先。医療依存度の高い子どもを対象にしたイベントであるため、本当に残念であるが、中止という決断となった。

kodomofestatokatsu.wixsite.com

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さて、手前みそではあるが、このイベント、申込時点で大変好評をいただいていた。

 

具体的の数値を示すと、千葉県松戸市に住む18歳以下の医療的ケア児の3割以上の方がイベントに申し込んでくださっていた。ダイレクトレスポンスマーケティングの反応率を知っている方なら、この申し込み率は異常だと分かってくださると思う。また、運営はすべてボランティアの皆様なのだが、募集時点で50名以上、看護師、理学療法士、保育士、医師などの専門職多数。支援者側からも支持をいただいていた。さらに、メディア取材も新聞2社、テレビ局1社から申し込みをいただいており、社会的にも注目されていたことがわかる。予算10万円もかかっていないイベントなので、客観的にみてもこの数は評価されるべき実績である。

 

このような話をすると、対象が医療的ケアという社会的に注目されたトピックだからこんな反応が良かったんだとか、イベント実行委員の専門知識やリソースがあったからここまでできたんでしょと言われることがあるが、はっきりいってそれは誤解である。人を動かすのはそう簡単ではない。

 

イベント準備や計画はロジカルに考え、根拠をもって内容の決定を行った。医療、福祉、介護の専門知識と集客のノウハウは、別体系の知識領域である事実を忘れてはならない。上記専門知識とイベント計画立案に相関はなとはっきり言っておく。

つまり、社会的な課題の大小や、実行委員の俗人的なリソースはあまり関係なく、普遍的な、だれでも利用できる考え方(かっこよく言うとフレームワーク)を使い、計画していった。イベントの内容という「見えている部分」は我々が考えていたことの氷山の一角に過ぎない。それを支える膨大な知識、理論、知恵の上にイベントが成り立っていた。

 

この記事は、自慢し承認欲求をビンビンに満たしたくて書いているわけではない。

本稿の目的は、福祉機関をはじめとする非営利組織の皆さまに、kikuoが持つ技術を共有するところにある。技術とはつまり、再現性があるということだ。考え方さえわかれば、誰でも活用可能である。

 

福祉の方はとても真面目で誠実だ。奉仕の精神に富み、弱者を守る。掲げる理想も高い。社会を変えるため自身の専門性を磨き、多大な努力されている。ほんとうに頭が下がる思いだ。

しかし、圧倒的に足りないものがある。これが足りないが故に、素晴らしい活動も注目されることなく、地域に埋もれてしまっている現実がある。これは本当にもったいないことだ。弱者を救いたい、社会的な課題を本当に解決したいと願うならば、もっとしたたかに、知恵を身につけなければならない。夢と理想だけでは現実は変わらない。知恵は地に足をつけ走り出す道具となる。マジョリティと戦う武器になる。そしてその武器は、だれにでも手に入れることができる。

 

幣ブログには医療的ケア児や脳性麻痺の子どもを育てているご家族だけでなく、同業者の方、障害福祉機関をはじめとする非営利組織で働いている方も多く読んでくださっている。したがって、その方々が自身の仕事でも活用できるように、そのノウハウを少しづつ共有していこうと思う。この考えに則って法人の運営方針を見直す、イベント計画を行うなどすれば、劇的に集客でき、社会的な注目を集められるはずである。

 

ではどのような考え方に則り、計画したのか。

 

その答えは、

営利企業で使われているマーケティング戦略論を福祉機関に応用する」

である。

 

横文字使い出したよ意識高い系め!

とは思わないでほしい。

また、マーケティングを単なる広報と捉えてはいけない。

戦略と聞いて、だれかを攻撃すんの?と勘違いしてもいけない。

 

マーケティングとは即ち

「対象者が求めているものを最適な形で提供するための活動そのもの」

であり、

戦略とは

「目的に対しての行動の最適化」

である。

より具体的に書くと、

目標達成を目指し少ない資源で最大の効果を発揮させるための、効率的な資源の活用方法である。

 

考え方さえ学べば、福祉だけでなく非営利領域どこでも応用できる。

「対象者」を「社会」に、

「目的」を「解決したい課題」に置き換えれば良いだけだからだ。

 

 

福祉機関は人材が限られている。日中は直接支援を行う傍ら、隙間時間を使い広報活動や経営を行っている。2足、3足の草鞋を履く人がほとんどだ。専門は直接支援だから、戦略に関わる知識は手探りだろう。

また営利企業とは違い、ある行動の対価として「お金」に頼ることもできない。例えば、こども食堂の輪を広げるために、活動をサポートしてくださる方にはQUOカードを差し上げまーす!ということはできない。そう考えると、営利企業よりも、福祉機関にこそマーケティング戦略の知識が必要だと分かってもらえると思う。

 

kikuoはこの事実に気付き、福祉領域におけるマーケティング戦略の知識を得るため様々なビジネス書を読み漁った。しかし、福祉のために書かれたマーケティング戦略の本はほとんど見当たらなかった。営利企業向けに書かれたものは、勉強になるものが多かったが、福祉機関と事情が異なり、すぐに活用できるものは多くなかった。だから試行錯誤を繰り返しそのエッセンスを抽出し、福祉の現場でも使えるように組みなおした。そして自身の仕事に応用した。結果、効果は絶大であった。

 

他方、この効果を伝えるため同僚や同業者に対してマーケティング戦略について唾を飛ばし飛ばし熱弁をふるっても、99パーセントの方に白い目を向けられた。マーケティング=金儲けの道具とみなしているのか、愛さえあれば地球が救われると思っているのか、この考え方はあまり馴染まないらしい。多くの方は私には関係ないぜと言わんばかりの顔である。その度にkikuoは盗んだバイクで走りたくなった。行先も分からぬまま深い夜のとばりの中へ消えたくなった。

 

こういう時に自分自身のメディアを持っているととても助かる。自分が大切だと思っている考えを、物理的な距離に関係なく伝えることができるからだ。半径3mの世界が、実はマイノリティだったという可能性をきちんと検証したい。

 

少し話が逸れてしまった。

マーケティング戦略といっても、難しいことはない。

なぜならkikioは経営学の授業なんて受けたことはないからだ。NBAMBAの違いも危うい。コトラーアムラーシノラーに続く第三のラーだと勘違いしていた。そもそも大学すら行っていない。それでも理解し実践できた。分かりづらいところは、福祉機関でも応用できるようにアレンジしてある。

 

これからお話しする内容は、世間ではあまり見かけない、福祉機関のためのマーケティング戦略論である。

 

より理解が深まるように、こどもフェスタを具体例に、ひとつづつ考え方を伝えていく。また、文末には参考文献を載せるようにする。どれもkikuoが読み、勉強になった本なので、皆様の力になってくれると思う。ちなみにアフィリエイトではないので、クリックしてもkikuoにはびた一文も入ってこないことを先に申し伝えておく。

 

それでは次の更新から

「福祉のマーケティング戦略〜あなたの想いを伝えるの技術〜」

と称して、皆様にそのエッセンスを伝えていく。そして是非現場で実践して欲しい。

あなたが行う実践は、必ず社会を変える一歩となるからだ。

 

【次回更新:12/15土】

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プロフィール

kikuo_tamura

社会福祉士 / ソーシャルワーカー

H28年6月、重症新生児仮死にて長男が生まれたことから、医療的ケア児関連に特に興味があります。

趣味は登山、トレイルラン、キャンプ、子どもを追い回すこと。千葉県生まれ。
ご意見、ご質問など、メールをいただけると、とても嬉しいです。
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