プロレスラー/呼吸器/日常

1990年代の終わり頃、アメリカのプロレス団体WWF(現WWE)にマンカインドというレスラーがいた。

長髪、締まりのない体型、汚れたワイシャツ、必殺技が股間に隠していた白い靴下を手にはめて相手の口に突っ込む等、日本流ストロングスタイルのレスラー(例えばジャイアント馬場アントニオ猪木や藤浪、天龍など)しか知らなかった自分にとって、その外見や試合スタイルはかなりの衝撃であった。

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何よりこのマスクが格好よかった。

個性的なレスラーは巨万といるが、彼の被るマスクが良いアクセントとなって、存在感を際立たせていたように思う。

ちょっと前のアメトーークWWE芸人の回でケンコバ氏がこのマスクを被り満面の笑みを浮かべておられたが、その気持ちはめっちゃ分かる。この仮面を被り授業を受ける姿を何度夢想したことか!どこで売ってるんだろう。今でも欲しいくらいだ。

 

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シュウは呼吸器を付ける時間が日に日に長くなり、就寝時は常に付けるようになった。

 

装着しているととても楽な様子で、夜中に呼吸が苦しくなることがなくなった。医療機器は増え、それにかかる手間も増えたが、シュウの状態はいい感じだし、僕、妻の睡眠時間も増えたしで、導入して良かったなと思う。一石二鳥。

 

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呼吸を付けているシュウを見て次女が、わたしも付けたいと言い出した。

 

で、この写真↓

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まさにマンカインド!!!

もれ毛具合やぼさぼさ頭がマンカインド感を演出してる。ひとりテンション上がってしまった。

 

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つぎに長女がやってきて一言。

「後ろ姿がパンツ被ってるみたいだよー」

 

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ああ、確かに。いい視点してる。

 

次女を被写体にパシャパシャ写真を撮り、父子でキャッキャキャッキャする。

次第にエスカレートし、パンツ仮面とかパンツ頭とかパンツ女とかパンツ博士とか、2人はネーミングを考え出す始末。そのセンスにゲラゲラ笑う父。

 

そんな3人を一瞥し、表情一つ変えず、口角を1mmも上げることなく、殺し屋かと錯覚する鋭い目付きで、妻が一言。

 

「シュウに戻しなよ」

 

 

ハッと我に返る。

そう、これはマスクでもパンツでもなく、呼吸器なのだ。医療機器なのだ。無機質な一言は我々を現実に戻すには十分なほどの効力を含んでおり、呼吸器は所定の位置、所定の使われ方に戻っていった。

 

 

 

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と、ここで終わらないのが、子どものすごいところ。妻に冷たくあしらわれたら、自分ならビビって萎縮してしまう。

 

 

呼吸器をシュウに付け終えた頃、パパ見て〜と次女に呼ばれた。

 

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 うちに呼吸器2台もないんですけどーーー!!!

 

 

パンツを被った次女が現れて、流石に妻も吹き出していた。

 

 

そんなこんなでtamura家の夜は更けていくのであります。

 

 

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プロフィール

kikuo_tamura

社会福祉士 / ソーシャルワーカー

社会福祉法人 松の実会 評議員 / NPO法人 こども子育て・発達支援研究会 監事

H28年6月、重症新生児仮死にて長男が生まれたことから、医療的ケア児関連に特に興味があります。

趣味は登山、トレイルラン、子どもを追い回すこと。1985年千葉県生まれ。
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