災害時に東京電力から発電機を借りる方法【在宅医療を受けている方限定】
ここ数日だいぶ過ごしやすい気候になりましたね。朝晩は蝉の鳴き声の代わりに、鈴虫やコオロギの声が聞こえてきます。朝起きて開口一番「暑ぅ…‥」と言うのがトレンドだった日々は過ぎ去って、秋の気配を感じます。
災害時に東京電力から発電機を借りることができると前回の記事で少し書きましたが、本日担当者からお電話をいただき、詳細が分かりましたので、内容シェアします。
前回の記事↓
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まずはおさらい。
東京電力のHPにこんな記述があります。以下引用
ご自宅で医療を受けられている方は、事前に医療機関などにご相談をお願いいたします。
ご自宅で人工呼吸器等の医療機器をご使用されており、バッテリー等の代替電源がないお客さまにおかれましては、当社が保有している小型発電機等を可能な限りお貸しいたします。
引用:電気がつかないときは?|東京電力ホールディングス株式会社
しかしながら、記述はこれだけで申し込みフォームなどはなし。
医療機器はどこまでが対象となるのか?
年齢制限はあるのか?
貸し出しまでの流れは?などなど、詳細がわかりません。
と言う訳でカスタマーセンターに確認の電話をした次第です。
貸し出しまでのステップは次の通りです。
○ステップ1
事前登録。平時に済ませておく。
○ステップ2
災害発生。東京電力から連絡あり
○ステップ3
貸し出し。
順を追って説明します。
ステップ1 東京電力に患者登録をしよう!
まず始めに、事前の登録がなければ、貸りることができませんので注意です。しかし登録といっても、めんどくさい手順はありません。
カスタマーセンターに電話して
「在宅で医療受けているので患者登録したいっす」
で、おk。これで終了。さとうのご飯のような手軽さ。
医師の意見書を提出せい!
障害者手帳出せや!
はありませんでした。
行政の煩雑な手続きに慣れっこの我々には拍子抜けするほどです。担当者は停電復旧作業明けにも関わらず、平身低頭な口ぶりで逆に不安。。
シュウもこれを機に登録しておきました。
東京電力カスタマーセンターはこちらに連絡先の記載がありますので、参考になさってください。
情報があまり出てきませんが、東京電力に患者登録をしておくと、計画停電の際や災害時の復旧の見通しが、事前に連絡が来るみたいですよ。
↓は東京都北区のお知らせですが、東京電力管内であれば、サービスは共通でしょう。
医療機器は何が認められる?
電話一本で登録完了なので、在宅の医療内容について客観的に確認する術はありませんよね。したがって、在宅医療を受けられている方であれば誰でも、登録できるのではないでしょうか。あくまで自己申告。性善説を前提とした約束なので、義理人情に泥を塗るような嘘はつきたくありませんね。
参考にシュウが必要な医療機器を書き出しておきます。
- ポンプ使用による経管栄養
- 吸引機による喀痰吸引
- サチレーションモニターを常時着用
- 夜間のみ呼吸器の装着
- 状態が悪くなった時に酸素濃縮機を使用
年齢制限は?
年齢制限はないようです。介護保険で医療を受けている方も安心ですね。
ここが注意点!
①まずは自前のバッテリーを用意する!
貸し出しの前提となるのが、まずは自分自身で予備バッテリーを用意しておくことです。
電話をくださった東京電力担当者も、その点は強調しておりました。予備バッテーを使い、それでも尚足りなければ、東電の出番。まずは自助の精神ですね。
災害発生直後は電力会社の方々も対応に追われますので、停電即貸し出しとはなるはずもありません。急性期は自分たちで乗り切れるくらいの備えはしておきたいものです。
②貸し出しの開始時期は未定
貸し出し開始の時間的な目安を聞いたところ、はっきりとした回答は得られませんでした。
担当者の話しぶりからするに、東電としてもマニュアルなどがある訳ではなさそうです。
ただkikuoが思うに、目安は72時間となるのかなと思います。
その理由は、大規模災害時における超急性期に該当するのが、発生から72時間だからです。
参考:東京都福祉保健局 市町村災害時保健活動ガイドラインより
この時期は救出された多数の傷病者が医療機関に 搬送されるが、ライフラインや交通機関が途絶し、被災地外からの人的・物的支援 の受入れが少ない状況ですから、発電機の貸し出しは期待できないと思っておいたほうが良さそうです。
72時間。3日。きついなー。
この状況なら、病院に避難させているかもしれませんね(記事の意味なし)。
ステップ2 災害が発生したら東京電力から連絡あり!
落雷などが原因の停電であればすぐに電気は復旧しますよね。このような時は連絡は来ませんが、今回のように停電が長時間続くと連絡が来ます。もちろん、ここでも停電が何時間続いたら連絡が来る、というような時期は不確定です。
災害状況確認の電話が来て、でんこちゃん助けて!的な状況であれば貸し出してくれるようですよ。
ステップ3 貸し出し。発電機デビュー
これで晴れて発電機を借りることができます。借りることができるのはガソリンで使うタイプの発電機なので、自宅内には置けません。外に置いて、延長コードでコンセントを室内に引っ張り込む。ガソリンの備蓄も必要そうですね。
ちなみに確認したところ、平時からの事前貸し出しはしていないそうです。そりゃそうか。
終わりに
いかがでしたか。
最初友人から、東電が発電機貸してくれるらしーよと聞いたときは、東電やべーーウヒョーwwwの頭の中お花畑でしたが、調べてみると、会社の中で貸し出し制度はあるものきめ細やかのサービスを受けれる訳ではない、というのが実情でした。
そうは言っても自宅で医療を受けている人たちにとっては、電気はまさに水や食料と同列にとなるものですから、借りる借りないに関わらず、いかにして電気を途絶えさせないかがポイントではないでしょうか。
もちろん発災直後に病院へ避難できればそれに越したことはありませんので、まずはその可能性を探りましょう。
他方で、超急性期は自分たちで乗り切る自助の精神を持ち、長引くようであれば東京電力から発電機を借りて復旧を待つというのが良さそうですね。
東京電力の皆さま、復旧作業でお忙しい中、対応してくださってありがとうございました!まだ復旧作業が続く地域もあるようです。体調だけは崩されませんように。