障害者と健常者の接点を探る

主夫による脳性麻痺の子供の話。ご意見ご感想頂けると大変嬉しいです。m.jigglerアットマークgmail.com

退職後の所在報告

6/10に退職して、2ヶ月半が経った。

息つく暇もない、とはまさにこのことだと思う。

東に病気のシュウがいれば 行って看病してやり
西に遊んでとせがむ姉あれば 行ってブランコをこいでやり
南に体調悪化のシュウあれば 「大変でーす」と主治医に電話し
北にきょうだい喧嘩があれば マジその声つんざくからやめろと言う

雨の日も風の日も、雪にも夏の暑さも関係なく

毎日家事育児をするのって本当に大変です。

何が一番大変って、コントロールがきかず計画的に進まない点。

部屋片付けたと思ったら秒で汚くなるし、仲良く遊んでるなーと思ったらギャーギャー喧嘩始めるし、シュウはすぐ体調崩すし。そうこうしているうちに夕方5時を回り、「あぁ夕ご飯作る時間だ…‥」と。でその時に米がないことに気づき妻にライン。

「夕飯シリアルでいい?」

優雅な主夫業ライフをビシバシとはてなブログへアップして承認欲求満たすつもりでいたのだけど、そんな時間取れず…‥。

掃除洗濯料理子育ては無難にできると思っていたのだけど、主夫業はそれだけでは完結しない…‥!!

入院生活、先生とのやり取りや診療所や薬局、児童デイとの調整、および姉たちの宿題サポートなどなど、「名もなき家事」がかなり負担になるのだなと激しく実感した日々でした(奥さま、今までしゃしゃってすいません)。

家庭を支える奥様がいるからこそ、日本の経済が回っているのだな実感する日々です。プロジェクトXとか情熱大陸とかで主婦の皆さまを取り上げて欲しい。世の奥様方、ほんとすごい。

 

○シュウについて

6/10の私と妻の切り替え日(そしてシュウの誕生日!)から、喘息発作による入院。6、7月は2/3は入院していたでしょうか。

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誕生日入院で、看護師さんとはウハウハだった

 

これまで喘息発作という症状は出たことがなく、本件が慢性的なものなのか季節的なものなのかはまだ評価できないけど、予防内服開始。薬がまた一種類増えた。薬ってカタカナで文字数多いし、ジェネリックだと処方箋と袋に印字されてる名称が変わってたりするので頭ごっちゃになる!

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縦列が1日分の粉薬。これにプラス4種類のシロップを服用し、吸入機で2種類の薬剤を使用。

 

医師からは喘息症状が続くのであれば気管切開した方がいいですぜご主人…‥というか現状でもしてもいいですぜ。という提案もされたりして、この時期はとにかく毎日バタバタだった。

 

まぁポジティブに考えれば、これ以上ない忙しさがスタートから体験できたということですね。今後の生活において精神的な余裕が生まれる経験ができた!シュウはホント孝行息子だな〜

 

気管切開の件はとりあえず様子見、という名の拒否で今は落ち着いています。

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どうなるの俺!

 

○kikuoについて

仕事を辞めたと言っても、専業主夫になったわけではなく、個人事業主として仕事を始めました。行なっている仕事は下記4領域。

 

1、これまで所属していた法人のバックアップ

シュウのことや医療的ケア児の取り巻く状況をよく分かってくださっている理解のある職場で、来れる時に来ればいーよ!と提案いただいた。とてもフレキシブルな勤務体系であり、予定通りに進まないkikuo家にとって、非常にありがたい。PCと電話さえあればなんとかなる仕事であるので、期待値以上の成果が出せるよう精進します。

 

2、専門職として成年後見人の受任

社会福祉士という国家資格を取得しているため、専門職として成年後見人を受任した。成年後見人とは、病気や障害のために判断力が低くなった方の生活を守るために財産管理や身上監護を行う人。高齢化が進む日本において、今後、成年後見制度はより拡がりみせることになる。福祉の専門家であることはもちろんのこと、重度の障害児を育てている身としても成年後見制度は無視できない。kikuoや妻が死んだ後、もしくはシュウが成人になった後、彼の意思決定サポートは誰がするの?契約行為は?金銭管理は?などなど、姉たちに負んぶに抱っこはさせたくないので、まずは自分自身で経験してみようということで、受任。

成年後見制度について気になる方はこちらをご参照ください↓

https://isansouzoku-guide.jp/seinenkoukennin

 

3、障害者雇用を進める一般企業のサポート

前職からお付き合いのあったとある企業に、シュウの事情とともに退職の件を伝えた。そうしたら、「kikuoさんの働き方に合わせるので、うちの仕事手伝ってくれませんか?」とご提案いただいた。千葉圏域での障害者雇用を推進していきたいのだが、地方に本社があるため中々進まない。地場の事情を知る人を探していたとのことで、kikuoに声がかかった。東京パラリンピック出場を目指す選手を擁する車椅子の陸上部を持つくらい、障害者への理解ある企業。担当者が医療的ケア児について理解があり、これまたkikuo家の事情を最優先にすることを前提とした契約となった。

そうは言っても仕事として請け負っている以上、甘えることなく、頼んでよかった〜と思ってもらえるように精進します。

 

4、非営利組織専門の広報コンサルティング

NPO社会福祉法人、行政の方など、多くの非営利組織の方と関わって思ったのは、自分たちの活動を「社会へ伝える」という作業にまで手が回っていないということでした。

 

P.F.ドラッカーは著書「非営利組織の経営」のなかでこう言っています。

非営利組織はミッションのために存在する。それは社会を変え人を変えるために存在する。非営利組織がミッションのためのものであることこそ、忘れてはならないことである。

ミッションとは即ち、解決したい課題。

では、社会を変え人を変え、課題解決のためにまずしなければならない第一歩は何をしなければならないのでしょうか?

 

私は知ってもらうことがが第一歩だと考えています。

 

例えば、児童虐待。平成10年頃から「虐待」という言葉がメディアに多く取り上げられたことで、通報件数は右肩上がりに増えていきました。平成10年と平成29年の虐待通報件数を比較すると、19倍以上にも増えています(6,932件→133,778件。厚生労働省報告より)。これは虐待が爆発的に増えたのではなく、「あれは虐待なんじゃないか」と気づいて、通報する人の数が増えたのではないでしょうか。

言葉が認識を生み、認識が行動を生み、行動が社会の変化を起こす。

だから、まず知ってもらうということが重要だと考えています。

 

伝わらなければ、必要な人にサービスを届けることもできないし、応援者も増やすこともできません。寄付も集まりません。一方で、目の前にいる人を助けるため、ひたむに仕事へ取り組んでいるがゆえに、伝えるという点にまで、手が回らないNPOなどの非営利組織の方々が大勢います。この課題を解決したいと思い、事業を立ち上げました。

 

NPO×広報戦略 非営利組織こそマスコミを動かす力が必要だ

をコンセプトのもと、広報力アップのお手伝いをいたします。

 

ただいま非営利組織がマスコミを動かすノウハウをまとめた小冊子を、無料で配布しています。ぜひご活用いただけたらと思います。

どなたでもダウンロード可能なので、気兼ねなくどうぞ!

www.jig-consulting.com

 

以上がkikuoの話でした。

 

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姉2人の夏休みが終わればも少し時間に余裕が出てくるはず!

そう言い聞かせて、この夏を乗り切りたいと思います。

 

残暑がまだまだ続きます。

いつも読んでるくださる皆さま、体調にはくれぐれもご留意ください。

 

それではまた!


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俺は夏バテ中…‥

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プロフィール

kikuo_tamura

社会福祉士/非営利組織専門の広報戦略コンサルティング会社 JIGコンサルティング代表 https://www.jig-consulting.com/

2016年6月、重症新生児仮死にて長男が生まれたことから、医療的ケア児関連に特に興味があります。

趣味は登山、トレイルラン、キャンプ、子どもを追い回すこと。千葉県生まれ。
ご意見、ご質問など、メールをいただけると、とても嬉しいです。
【m.jigglerアットマークgmail.com】