障害者と健常者の接点を探る

脳性麻痺の子供の話。たまにマーケティングと社会福祉士。ご意見ご感想頂けると大変嬉しいです。m.jigglerアットマークgmail.com

脳性麻痺とリハビリ ボトックス注射を打つ

筋肉の緊張が強くどうにかなりませんかね?相談したときの話。ボトックス注射なるものを提案された。それは何すか?とkikuo。ボツリヌス菌を使った治療です、と主治医。

 

ボツリヌス菌、と初めて聞いた時は、中々の衝撃だった。というのもkikuoには菌業界に対してポジティブなイメージを持ち合わせていなかったからだ。

 

あれは確か世界終末説が大流行していた1999年初頭、kikuoはノストラダムスについて調査していた。幼少期より超常現象やUFO、UMA古代文明など月間ムーが扱うようなオカルト情報が大好きだったkikuoにとってノストラダムスは格好の餌食だったのだ。ノストラダムスと聞くと日本では「ノストラダムスの大予言」という詩集のイメージが先行し、ドクター中松マック赤坂が所属する「胡散臭いおじさん枠」に分類される人を想像すると思われるが、それは大きな間違いだ。実は大学でリベラルアーツを学び、その後は医師となり国王の「常任侍医兼顧問」に任命されるなど、現在でいうエスタブリッシュメント層に属しているのだ。そして、南仏でペスト菌が流行したときにノストラダムスが治療に尽力していたという。現在では抗生物質の治療が行われ21世紀において日本では死亡例は確認されていないが、当時のペスト菌黒死病と呼ばれ、死の病として恐れられていた。特に14世紀の大流行は、世界人口を4億5000万人から3億5000万人へ減少させたという事実は、kikuo少年に衝撃を与えた。菌一つで1億人もの人が亡くなるなんて、、、肉眼で確認できないものがこれほどまでに脅威となり得るのか、、、と恐れおののいたものだった。ノストラダムスの予言など、正直どうでも良くなった。それくらいのインパクトがあった。

 

また、菌と言えばこのエピソードも避けては通れない。

 

2000年問題で話題が持ちきりだった当時は、中二病をこじらせ思春期街道まっしぐら。ニキビが一つ顔にできただけで人生詰んだと思いつめてしまうほど視野狭窄に陥ってた。だからニキビの原因であるアクネ菌を憎みに憎んでいたのだ。スクラブ入りの洗顔料で顔をゴシゴシ洗い、クレアラシルを顔に塗りたくる日々だった。ビタミンB2がお肌に良いと聞けば母をマツキヨに走らせ、馬油が良いと聞けばまた、母をマツキヨに走らせた。しかし、ありとあらゆるスキンケアを試してもなお、アクネ菌の増殖を止めることはできず、ニキビは増え続けた。ニキビの数が増えるにしたがって枕を濡らす夜も増えた。もちろん母がマツキヨに走る回数も増えた。

思春期での経験が人生に多大な影響を与えると良く言うが、かくしてkikuoはこの二つのエピソードによって「菌」に対するスタンスが方向付けられたのである。実際今でも身体に良いとされるビフィズス菌や乳酸菌でさえも、「菌」と付いているため顔をしかめてしまうのだ。

 

ボツリヌス菌の話に戻ろう。

 

 

ボツリヌス菌を使った治療とは「ボトックス注射」と呼ばれるものだ。正確にはボツリヌス菌(食中毒の原因菌)が作り出す天然のたんぱく質ボツリヌストキシン」を使った注射である。ボツリヌストキシンには筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があり、後から知ったのだがボトックス注射は美容整形分野では割とよく行われている。当然、ボツリヌス菌に感染することはないのだが、菌と聞くと恐れおののいてしまうのは前述の通り。エイジングケアに関心の高いアネキャン世代の女性陣なら馴染みがあるかもしれないが、菌界隈の話題は条件反射的に思考停止に陥るkikuoにとって、(実際には菌を注射するわけではないが)菌を注射するて…‥と理解不能であった。

しかし冷静になって調べてみるとボトックス注射は厚生労働省から認可受けた保険対象であるし、小児脳性まひ患者の筋緊張治療には一般的に行われていることが分かった。

www.childneuro.jp

 

重症新生児仮死で生まれ、重度の脳性麻痺があるシュウは全身に筋緊張があり、それが呼吸を悪化させていると評価されている。産後直後にはなかったのだが、今は呼吸するたびに気道狭窄が見られ、空気を吸う度にヒューヒューと苦しそうな音をだす。また足の突っ張りも強く、常に力が入っている状態だから、さぞ疲れよう。このような子供にボトックス注射は有効なようである。

 

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×がボトックス注射を打つ箇所。これはつまり筋肉の緊張が強いところを示す。一回の治療でこれだけ打つのだから、シュウも大変だ…‥。

 

前回の記事でボトックス注射を打ちに行きますと書いたが、先日の通院はボトックス注射を打つための、リハビリ評価の日であった。注射は2月中旬。というわけで連日のリハビリ。以下写真。

 

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あーそこそこ…‥そこです、先生


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そーなんすよ、つい足が突っ張っちゃって

 


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…‥あ?写真ばっか撮ってんじゃねーよ

 


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ブログに載せんなよ?

 

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連日のリハビリ、よく頑張りました。

ボトックス注射は概ね3-4ヶ月に一度打つ。その度に高速に車を走らせ遠方の病院に行くことになる。ドライブと考えれば悪くないか。

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プロフィール

kikuo_tamura

社会福祉士 / ソーシャルワーカー

H28年6月、重症新生児仮死にて長男が生まれたことから、医療的ケア児関連に特に興味があります。

趣味は登山、トレイルラン、キャンプ、子どもを追い回すこと。千葉県生まれ。
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