トレイルと医療的ケア
先日、休みを利用して筑波山へ登山してきた。
もちろんシュウも連れてだ。
標高877m。
低山の部類に入るが、kikuo家はコンクリートジャングルをナワバリにしているため、手軽に自然と戯れることができるこの山は結構好きだ。自宅からアクセスもいいし、ロープウェイもあるから、次女と長女が徒党を組み、もう歩きたくないと座り込み、抗議の意を表しても安心だ。
シュウとの外出について、近場のイオン程度ならばもう造作もないほど慣れた。しかし今回は山。自然が相手。人工物はなく、何かあってもすぐに救急車が来るわけでもなし。山頂まで、子どもの足で約3時間。若干の不安はあった。しかし少なくともシュウのミルクを止めることができる時間の範囲内で登頂が可能であったし、「不自由な環境下へ行き、出歩く」と捉えれば、人込みと喧騒で無秩序が醸成され人種の坩堝と化す土日のイオンへ行くのとあまり変わりのないように思えた。特に昼時のフードコートね。ありゃカオスだ。雨雲レーダーを確認しても天気の崩れに心配はなし。そんな訳であまり深く考えず、でも慎重に慎重を重ね、安全第一、登頂第二に行けばなんとかなるだろーと判断し、入山した。
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シュウはこんな感じで、妻に背負われていた。
なんかバズライトイヤーみたいだ。背中の感じが。
バズ入山。
こんなトレイルを進み、
結構な斜度の上りもある。
すれ違ったマダム軍団に、なんでパパが背負わないの?と突っ込まれた。
、、、確かに!
少しわかりづらいが、シュウも腕まくりをして張り切っている。
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山の中でも、ケアを怠ることはなし。抜かりなく準備して行けばなんとかなる。
kikuoはトレイルランという山を走るアクティビティが好きで、よく山へ走りに行っていた。シュウが産まれてからはめっきり足が遠のいていたが、その時のアイテムが医療的ケア児を山へ連れてく時にかなり役立った。
特にザック。トレイルランの特性上、走りながら水分補給、栄養補給する必要があり、ザックを降ろさなくてもいいように胸側にも居室が設けられている。その居室に、ペットボトルやら食糧やらを詰め込んで、行動を止めることなく補給していくのだ。
他方、シュウは痰の吸引が必要なので、ゼコゼコし出したら直ぐに吸って上げる必要がある。回数も頻回だ。したがって通常のザックだと、ザックを下ろして天蓋を開けて吸引機を出して、という動作になり、かなり手間。時間もかかる。そうなるとミルクを止めておくことができる時間内に、山頂まで到着できない可能性もある。
したがって、胸側に居室のあるザックは医療的ケア児にとても相性がいいのである。新しい用途の提案。まあ、こんな使い方する奴は他に絶対にいないだろうが。
Kikuoは手動式の吸引機が大好きだ。軽くて、コンパクトで、吸引力も充分。電池もいらない。握力もつく。一石五鳥くらいの効果が得られる、白だし並みの万能製品だと思っている。かなりのヘビーユーザー。ブルークロスのアドバイザー勤めたいくらいだ。もっと広まって、価格下がって欲しい。その手動式の吸引機がこのザックにピタッと収まる。
背負うとこんな感じ。
左に手動式吸引機、右にペットボトル。
ゼコゼコ言い出したらサッと取り出すことが可能。玄関明けたら2分でごはんならぬ、ゼコゼコ言ったら2秒で吸引!
ケアは長女も担ってくれた。
以下、休憩時にシュウが水分補給するの図
シリンジを使いペットボトルからお茶を取り出して、
水分補給。
かぁぁァァーー、き、効くぅぅぅゥゥーーーー!
山道でこんなことやってるのだから、ほかの登山客はビックリしてた。
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と、ここまで書いて気付いた。
山頂で写真撮ってない。。。
登頂はした。でもあまりの暑さと、ロープウェーの時間の迫ってきたこともあって、撮影が抜けていた。関東平野を眼下に「ドヤ、ワイもやるやろ」と鼻息荒くするシュウの雄姿が見せられなくて残念である。なんともスッキリしない幕切れで申し訳ない。
以下、反省点。
1、吸引機を落とした。
カテーテルに泥がめっちゃついて焦った。幸い小川が流れていたのでさっと水洗い出来たが、やばかった。ペットボトルの中身はお茶ではなく水にしよう。
2、シュウはkikuoが背負う
なぜ妻が背負うことになったのか記憶にない。慣習?うーん。
ちなみに翌日、妻は筋肉痛により身動きが取れなくなっていた。
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話は超変わるのだが、いまケアグッズ、スペシャルニーズに対応する商品のみ取り扱ったECサイトの開設準備を進めている。とりあえずベータ版を公開し実験してみる。それで反響が良ければ、順次商品を拡大していけたらと思っている。
■ベータ版公開予定日:2018年7月5日(木)
詳細は決まり次第告知いたします。