12/6(水)放送、NHKおはよう日本の感想

昨日はNHKおはよう日本の放送日だった。

kikuo家にはちょうど祖父母が泊まりにきており、朝から一族総出での鑑賞会となった。

祖父母は日常的にTVを信仰の対象とし崇め奉り、自己の意思決定についてTVからの情報に依存的である。起床後から就寝まで一日中TVをつけている。内容は見ていない。祖父母の生活習慣にはTV視聴が完璧なまでに組み込まれており、リモコンの赤いボタンに人差し指を載せることになんの感情も沸いていないはずだ。ただただ無感情にとりあえずテレビをつけるその姿は、TV視聴マシーンとも表現できる。

 

他方、確かに見てはいないのだが、もしかしたら行為自体に意味があるのかもしれない。まだ日も上がらぬ早朝、心を整えて電源スイッチを押す。雨にも負けず風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けず、毎日同じことを繰り返すその所作はまるで、祈りのようである。

 

彼らにとっては神の箱とも言えるものから息子と孫が写し出されるのだから興奮を抑えきれない様子だった。7時台の放送だよと伝えていたのに、5時には起きてスタンバイしていた。遠足前の小2かよ!

放送終了後は映像くれー映像くれーと連呼していた。

 

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kikuoはこのブログを書いていることについて、リアルな世界では基本的には誰にも伝えていない。一年半近く続いているので若干バレつつあるが、ツイッターフェイスブックのようなSNSにも連動させていないし、アフィリエイトを目的としたものでもないため、重症新生児仮死/医療的ケア児に対する一種の諜報活動だと認識している(もちろん自分の頭の中を理論的に組み立て直す装置として、ブログを利用している側面も大きくある)。

隠している訳ではないが、自ら宣伝するような活動はなんか無粋に感じられて気が引けるのだ。このブログに魅力的な何かがあればじわじわ広がって行くだろうし、そうでなければ淘汰される。この姿勢には明確な評価基準があってそれが心地よかったりする。

 

NHK出演についても、このブログで告知しただけで家族以外にはほとんど伝えていなかった。おはよう日本にはkikuoの本名は出ていたがこのブログでは出しておらず、番組中にこのブログの紹介があった訳でもなかったため、TVを介してこのブログにたどり着いた方は視聴者のごく一部に限られていると考えられる。

それでも普段の5倍以上のアクセス数があり、多くの方からメッセージをいただいた。その全てが障害児を育てる家族に対してポジティブな心境の変化が生まれたという内容であった。医療的ケアが必要な子どもであっても愛おしいと思う気持ちは変わりはないんだなという気づきがあったという声や、同じ境遇にいるママさんからは自分の気持ちを代弁してくれているようで涙が出てきたと話しもあり、この出演が誰かの役に立ったんだなと嬉しくなった。

 

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この放送で素晴らしいなと思った点は、障害の世界を嫌味なく伝えるような編集にある。

 

青い芝の会に代表されるように障害者の歴史は闘争の歴史と言っても過言ではない。障害者団体が社会に対して戦いを挑み、その権利を勝ち取ってきた文脈がある。そしてその文脈は(過激さはないが)基本的には今も続いている。会田誠の「一人デモマシーン」ではないが声なき声を拾い上げ伝えていくには誰かが拡声器になる必要があるのだろうが、そのような手法は対立構造を産む可能性を大いに孕んでいる(ま、会田誠さんは純然たるデモをする気など毛頭ないが)。そしてその対立が両者を遠ざける要因になっていたりする。

 

先達が切り開いてきた道に立たなければkikuo一家の生活は成り立たないので、感謝してもしきれないが、他方で障害に日の目を当てるという点に限って言えば違うアプローチ方法もあるのではないかー、そのような仮説がkikuoにはあり、ブログを書く動機になっている。具体的にいうと生活のこと、きょうだいとの関わりのこと、子どものこと(「障害児のこと」ではない!)、子どもに対する親の気持ちの変化などを書くようにしている。もちろんシュウを語る上で医療的ケアのことは欠かせない項目なのだが、それは主題ではない。

「障害の世界に軸足を置くが、健常の世界にある事情にも思いを寄せる」

「両者の接点はどこにあるのか」

そのようなことを考えながら日々ニチニチとキーボードを打ち込んでいるのである。

 

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ディレクターさんとは以上のことを詳細に打ち合わせしていた訳ではく、編集内容についても何一つ注文つけてはいなかったが、kikuoの想いを紡ぎ、親の気持ちを伝えつつも嫌味のない構成で制作してくださったことが本当に嬉しいなと思う。何十時間にも及ぶ取材と撮影から10分弱の番組へ編集していく。しかもあるテーマに特化させて。すごいなあと思う。

普段弊ブログを読んでくださる皆さまにもお会いすることができたし、取材依頼を受けてよかった。

 

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下記にてダイジェスト版を読むことができます。

ご興味のある方はご覧くださいませ。

www.nhk.or.jp

 

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プロフィール

kikuo_tamura

社会福祉士 / ソーシャルワーカー

H28年6月、重症新生児仮死にて長男が生まれたことから、医療的ケア児関連に特に興味があります。

趣味は登山、トレイルラン、キャンプ、子どもを追い回すこと。千葉県生まれ。
ご意見、ご質問など、メールをいただけると、とても嬉しいです。
【m.jigglerアットマークgmail.com】