始まりと終わり
10/29(日)、こどもフェスタinとうかつ〜五感で育つこどもたち〜が無事に閉会しました。
当日は台風接近中のためキャンセルも目立ったけど、当事者家族、支援者側の見学者合わせて100名ほどが来てくださいました。
アンケートを眺めていると家族、支援者、出展者共に概ね満足度は高く、またボランティア(総勢60名弱!!)の皆さまも楽しそうにしていたのが印象的でした。
kikuoがコーディネーターを務めていた、難病児、医療的ケア児を家族にもつ方をお招きした「かぞくの座談会」も好意的に受け止められたようです。主に支援者側にポジティブな心境の変化が生まれたのは嬉しい限り。
感想の中で「病院内では見ることのできない家族の姿を見ることができて、他のスタッフにも聞かせたいと思った」と書いてくださる方がおり、「医療」「福祉」「介護」の枠では語ることのできない家族の姿を映し出すことを目的とした座談会でしたので、意図した通りに伝えることができ、企画者として少し自信になりました。
予想外だったのは、登壇者の方の変化です。父、母、きょうだい、の3者を招きお話を伺ったので、新たな気づきはあるだろうとは予想していたのですが、自分の人生を人前で話すことでより前より生活が明るくなった、と感想をくださる方がいらっしゃいました。自分の人生の経験が誰かの役に立つ、というのはもちろん嬉しいことだと思いますが、その経験が誰かの役に立たなくても(今回の座談会はとっても役に立っていた。念のため)、話に耳を傾けるだけで、こんなにも心境が変化するものなのかと、この点を発見できたことが、自分にとっては一番の収穫かもしれません。
現在アンケート結果を集計し、来年よりパワーアップして開催できるように分析中です。この結果もHPに公表して、全国にいるであろう同志の皆様へ開催のノウハウや手法を届けられればいいなと思います。
会場の様子 スヌーズレン会場
チーバくんも駆けつけてくれた
最後の全体写真。
終始アットホームで、当事者、家族、支援者、ボランティア、行政職員、などなどそのような枠では括つことのできない一体感が、会場には溢れていました。
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kikuoは支援者という立場でありながら、当事者家族という側面ももつ。
今回のこのイベントは(一応)仕事として運営に携わっていたため、なるべは私情は挟まずに、運営実務に徹して来たつもりです。正直、シュウの事とこのイベントは切っても切り離せないものだけど、運営については個人的な感情は排除していました。仕事なので、「想いやプロセスではなく結果で評価して欲しい」という考えもあったのも事実。でも無事に閉会し、概ね好意的な評価をいただけたので、少しだけお話したいと思う。それはイベントHPについての話です。
■こどもフェスタinとうかつ〜五感で育つこどもたち〜
https://kodomofestatokatsu.wixsite.com/mysite
HPトップページの女の子はアヤちゃんと言います。
シュウと同じ、重症新生児仮死児として人生を歩み始めました。
お腹の中では順調に育ってきたことも、
産まれた時の状況も、その後のケアの度合いも
シュウとほぼ同じで、くせっ毛、バチバチの一重と顔もそっくりです。
誕生日もとても近かったので、まるで双子のよう。
アヤちゃんは遠くに住んでいるので、実際にお会いしたことはなかったのですが、
このようにとても共通点が多かったので、
ご両親とは、いつかお会いできたらいいですね、
お互い今日も頑張ろうぜ!などと
やり取りしていたのをよく覚えています。
アヤちゃんが無事に1歳の誕生日を迎え、
さあ次はシュウの番だ!という時でした。
体調の急変により亡くなりました、という連絡が届きました。
数日前には、新しい洋服を着させて、ケーキを準備してと、プレゼントも用意して、
素敵な誕生日会の報告があったばかりでした。
享年1歳と数日、短すぎる人生。
H29年6月1日のことです。
亡くなったアヤちゃん。
生きているシュウ。
2人を分けたのは何だったんだろうか。
残されたご家族はどんなお気持ちなのか。
空へ飛び立ったアヤちゃんは、何を思うのだろうか。
自分は何をすべきか、本当によく考えました。
アヤちゃんにシュウを重ねていた部分も大きく、自分の子どもが亡くなったような喪失感に抗うために、何か没頭するものが欲しかったのかもしれません。
ちょうどその頃、フェスタ開催のお話をいただいており、
これを成功させるために動くことが、今自分がすべきことなのかなと思い、
事務局をしようと決意したのでした。
kikuoにとってフェスタの始まりはアヤちゃんにあります。
ですからHPのトップに配置しました。
そしてアヤちゃんとシュウ(3枚目の写真)を並んで配置しました。
だってこの2人、まだ会ったことないんですから。
フェスタの翌日、無事に開催できたことをアヤちゃんの母にご報告差し上げたら、
「アヤも遊び行ってたかもしれません。(笑)」
と返信が返ってきました。
これでやっと一つの区切りがつけられたかなあと、メールを見ながらアヤちゃんに対して思いを馳せています。
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以上がHPにまつわる話です。
同様のメールを閉会後に実行委員の皆さまにもお送りしました。
PSで恥ずかしいから返信しないでね的なこと書いたので、この話を読んでどう思ったのかわよく分からない。でも同じチームである皆さまには聞いて欲しいなと思ったし、kikuoに個人的な理由があったにせよ、実行委員の皆さまが子どもたちのために一生懸命になってくださったことに変わりはありません。
フェスタを開催してくださって、本当にありがとうございました。
医療的ケア児、難病児を育てる親として、心よりお礼を申し上げます。
最後に最新のシュウ
一層ムチムチ感が出て来ました。