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役所の書類がわかりづらい理由

いよいよシュウに身体障害者手帳が交付されました。上肢機能障害、移動機能障害の認定を受けて(受け文句なしの)1級。晴れて?公に障害児と認められた訳ですが、特に感傷に浸ることも、持つことに抵抗もありません。この辺は仕事がら、慣れているからなのかな。とにかく彼を育て守っていくために必要なものだから、大事にしていきたいなあと思う。

 

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手帳を持つと様々な障害福祉サービスの利用が可能となります。交付に併せてその説明、及び書類が渡されますが、市担当者の説明が非常に分かりづらい。書類も分かりづらい。僕は先日説明を受けて来たのですが、約1時間半、かりづらい書類を元に分かりづらい説明を受けたせいか知恵熱がでて、寝込んだくらいです。38.5℃。

これってなにも障害福祉サービスに限定する話じゃないと思う。なぜ役所の書類って分かりづらいのだろう。考えをまとめてみたい。

 

1.知識ギャップを認識していない

 先日、胃ろう、気管切開をしている3歳のお子さんを育てているママさんとお話ししていた時のこと。僕が「医療的ケアが××」と話し始めると、「ちょっと待って。医療的ケアって何??」と質問されました。3年間毎日ケアを行ってきた方なのに、「医療的ケア」という用語を知らなかったなんてびっくりしたのですが、これは立場によって使用する言葉(=知識)が違っているいい例です。

障害福祉の分野でいうと、虐待、人権、権利擁護、なんて言葉は日常的に使ったりするのだけど、市民には響いていない可能性が大いにありえます。ではなぜ聞きなれない言葉を使うのか。その理由として考えられるのは、公的サービスの根拠法で使用されている言葉をそのまま使っているからというのが挙げられます。だからあんなにも固い表現、法律用語で塗り固められた書類ができあがるのでしょう。

市民目線に立った時に、どのような言葉で表現すれば分かりやすいのか、考えていただきたいものです。

 

2.情報を分けていない

行政サービスの中には、申請窓口が市役所になっているだけで管轄が市ではなく県や国というものがよくあります。また、障害種別、等級によっても色々と変わってきます。それらを一緒くたに記載しているため、分かりづらくなってるものが多い。

例えば、重度の障害を持っていると自動車税自動車取得税の免除が受けられますが、それを例にどう改善すればよいか考えてみます。

市が配布しているしおりにはこう書いてあります。

軽)自動車税自動車税の免除(自家用車のみ)

 

内容

身体障害者自ら運転するか、常時介護する同居の親族が運転する車に課せられる税金を免除します。

※手帳所持者本人運転かつ本人所有以外の場合は当課にて生計同一証明書を発行します。持ち物:①身体障害者手帳又は療育手帳 ②車検証(写可) ③運転免許所(写可) ④印鑑

精神障害者保健福祉手帳1級(通院医療費受給者番号の記載のあるもの)の方の生計同一証明書の発行は○○健康福祉センター(保健所)となります。

 

対象者

上肢障害1~2級 下肢・移動機能障害1~6級(略)知的障害Aの1以上 精神障害者保健福祉手帳1級

 

窓口

普通自動車税・自動車取得税→県税事務所

軽自動車税→市役所税制課

 

(以上原文のまま)

 

 この文章、一読して理解できますかね。僕には難しいです。。

まずどこで申請すればいいのかはっきりしません。市役所の障害福祉窓口?それとも県の税事務所?うーむ。全ての情報を文章で、かつ分類もせずに記載するもんだから、混乱が生じてしまうのです。ちなみにうちの場合(身体1級、普通自動車)、

①市役所の障害福祉窓口にて生計同一証明書を貰う

 持ち物:身体障害者手帳、車検証、免許証、印鑑

②県税事務所にて免除申請

 持ち物:生計同一証明書、身体障害者手帳、車検証、免許証、印鑑

が正解でした。

このように、行かなければならない場所を順番通りに書くだけでも(当たり前ですが)だいぶスッキリします。

さらに、フロー形式にて整理し直すと、もっと分かりやすくなります。

例えばこんな感じに。

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まとめ

知識ギャップを意識すること、情報を分けること、たった2つを意識するだけで、書類はとても分かりやすくなります。障害児を抱える親、当事者って、書かなければならない書類がとても多いです。行政に対して、病院に対して、学校に対して、福祉事業所に対して、、、ただでさえ書類作成は手間がかかるのに、更に書類自体が理解し難いものだとも吐き気がしますよね。こういったことがボディーブローのように効いてくるんです。

自分たちが使う言葉で説明するだけでは一流とは言えません。相手の頭の中にある言葉を使って説明できる人が一流でしょう。そのような人が役所の書類作成に関わってくれたら市民の負担はもう少し軽くなるんだけどなあ。

 

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プロフィール

kikuo_tamura

社会福祉士 / ソーシャルワーカー

社会福祉法人 松の実会 評議員 / NPO法人 こども子育て・発達支援研究会 監事

H28年6月、重症新生児仮死にて長男が生まれたことから、医療的ケア児関連に特に興味があります。

趣味は登山、トレイルラン、子どもを追い回すこと。1985年千葉県生まれ。
ご意見、ご連絡はお気軽に下さい。とても励みになります。
【m.jiggler@gmail.com】