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引きこもりはボアダムスが好き?「ハロウィンパーティーナンパの法則」で、引きこもりの支援を。

社会福祉 福祉×マーケティング

根本思想、アイデンテティ、パーソナリティといった類のものは目には見えませんが、必ず行動に現れます。

 

例えば、「質素に、だけど満ち足りた生活を送りたい」という考えをもつ人だったら、加工食品よりも無添加食品を、EXILE ATUSHIよりもトクマルシューゴを(なんと同い年!)ユニクロよりも無印良品を、ルイビトンよりもミナペルホネンを選ぶでしょう。

 

このあたりのことは行動分析学で詳しく書いてあるのだけど、根底にある考えは、表出される行動は人間を表す一部分にすぎず、その裏には根本思想、アイデンテティ、パーソナリティが大きく関与しているということで、逆にいうと、行動観察を突き詰めていけば、人間の核を形成しているものも掴めると思うのです。

 

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「病気や障害は特にないんだけど引きこもっている人」というのは世の中に結構いるみたいで、僕が勤める相談事業所にもちょいちょいそんな話が回ってきます。

 

diamond.jp

 

記事の中には、「引きこもりに親和性の高い性格的に共通した特徴」というのも書いてあってそれら内容は頷くものばかりなんだけど、本エントリでは更に突っ込んで、そういった人たちはどういった趣味があるのか、というのを書いてみたい。なぜそんなことを書くかって、引きこもり支援で大事なのは結局のところ、人間対人間の関係性で、いかに興味を持ってもらえるか、こいつと話すと楽しいと思ってもらえるかが、スタートになることが多いからです。

 

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自分と同じ趣味、嗜好を持つ相手は特別視する、という特性が人間にはあります。

 

例えば近年流行っているハロウィンの仮装パーティでナンパをすると成功率が格段に高くなるという話を聞いたことはありませんか。その理由は上記した「自分と同じ趣味、嗜好を持つ相手は特別視する」という人間の特性を反映したものです。つまり、同じ場所、時間で、コスプレをしているという共通点が女性の心理的障壁を下げ、ナンパの成功率向上に寄与しているのです。

 

そんな訳で、僕はこの特性を「ハロウィンパーティーナンパの法則」と名付けてるのですが、この法則は引きこもっている人にも当てはまります。

 

記事では、引きこもり支援には「アウトリーチ(自宅訪問)」が注目される、と書いてあるけど、その本質は「外に出られないから、会いに行く」じゃなくて、「行動観察の材料が容易に回収できるから」だと思っています。自室に入れたら、その人の趣味が色濃く出るし、汚いのか、整頓されているのかを見るだけで、性格も掴みやすい。そういったものから相手と自分の共通項を探し出し、そこを糸口に関わる。その共通項とはつまり「ハロウィンパーティーナンパの法則」の適用です。

 

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で、引きこもっている人の部屋を観察していると、共通の趣味があることに気付きました。

それは、「ボアダムス」のCDがあるということ。

www.youtube.com

ボアダムス - Wikipedia

 

ボアダムスの説明はWikiに譲るとして、そのほかにも、邦楽であれば、ゆらゆら帝国、ZAZENBOYS、たま、灰野敬二大友良英山下洋輔などが棚に並んでいることが多い。ジャンルでいうと、サイケデリック、ノイズ、フリージャズ、現代音楽、でしょうか。EXILEや嵐を聞いている人は見たとこがありません。

 

あと、アニメ好きな人が多い印象を受けます。エヴァンゲリオンガンダムエウレカ7などのロボット系、京都アニメーション作成の不条理系?などが多いでしょうか。

 

その理由は別に考察するとして、この辺を押さえておけば、引きこもっている人との共通項は格段に増えます。事実、それらを接点に、話が盛り上がるということが良くあり、家族以外の人と20年ぶりに話をした、なんて言われたことも。「ハロウィンパーティーナンパの法則」を使うと、引きこもり支援において驚くほど効果が実感できます。

 

ま、僕の場合、上記した音楽やアニメのジャンルと僕が好きなジャンルがたまたま被ってただけで、行動観察を行い、共通項を意識的に作ったわけではないんですけどね。

 

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もちろん引きこもっている人全てがボアダムスを好きなわけじゃないし、これはあくまで比喩なんだけれども、今回のエントリで伝えたかったのは、相手の行動を観察し共通項を探し出す作業を続ければ、どんな相手でも必ず心を開いてくれるということ。それが広島・黒田のような若手をけん引する引きこもり界の大ベテランに対しても言えることで、傾聴すればいいとかアドボカシーがとか、そんな福祉用語に陶酔せずに、もっと戦略的に引きこもり支援を行わなければならないでしょと、そんなことを思うのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プロフィール

kikuo_tamura

社会福祉士 / ソーシャルワーカー

社会福祉法人 松の実会 評議員 / NPO法人 こども子育て・発達支援研究会 監事

H28年6月、重症新生児仮死にて長男が生まれたことから、医療的ケア児関連に特に興味があります。

趣味は登山、トレイルラン、子どもを追い回すこと。1985年千葉県生まれ。
ご意見、ご連絡はお気軽に下さい。とても励みになります。
【m.jiggler@gmail.com】