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バリバラと24時間テレビ。当事者の親として思うこと。

日テレ24時間テレビの裏で「検証!『障害者×感動』の方程式」と題して生放送したEテレのバリバラが話題になっていました。ニュースを流し見した雑感を、障害を持つ子を抱える親として、また、日頃から障害者理解をテーマ考えているものとして書いてみたいと思います。

www.j-cast.com

 

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まずはじめに、僕は24時間テレビが嫌いです。全体的に漂う感動を押し売りしている感じが苦手だからです。その辺をバリバラは「感動ポルノ」と表現していたけど、そう言った意味ではバリバラが意図することにとても共感を覚えました。

 

さて、なぜ24時間テレビは感動の押し売りや感動ポルノと表現と表現されてしまうかというと、「障害者なのに頑張っている」と「障害者なのに努力している」という表現をしているからでしょう。頑張っている姿や努力している姿さえあれば自然と感動は生まれてくるはずなのに、「障害者なのに」という前提を入れるって、ある意味テレビマンの怠慢なんじゃないかと思ってしまう。障害者に甘えて安易に感動を作り出そうとしている浅はかさを感じずには入られません。

 

障害者も健常者も同じ人間です。嘘もつけば悪さもする、欲だってあります。男子なら僕らと同じように女の子にモテたいと思っています。障害者は聖人ではありません。繰り返しますが、同じ人間です。「障害者なのに」という表現には多くの差別偏見が含まれているように思います。

 

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 ■24時間テレビの演出に共通するもの

 

ダウン症の子にパーフェクトヒューマンを踊らせる企画や、脳性麻痺の子が富士山登山の挑戦に共通するのは、健常者が作った型に障害者を合わせようとしているという点です。ダウン症の子にパーフェクトヒューマンを踊らせるというのはその典型ですね。恐らくどんなに練習したって、能力的にダウン症の子が完璧に踊れるようにはなりません。健常者が作った型に障害者を合わせようとすると、必ず健常者と障害者の比較が現れ、その比較から障害者の劣っている点がフォーカスされてしまう。障害者=できない人という構図のできがりです。そもそも障害者は能力的に健常者に劣ると誰もが認識しているのにそこにわざわざフォーカスするのって、障害者にとっていいことなんてありません。傷に塩を塗っているようなものです。

 

ダンスの完成度ではなく頑張っている姿を見せたいとの意図があるのかもしれませんが、それなら上気した通りで、別の表現であるべきです。

 

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■差別偏見が生まれない表現をするには

 

僕が考える別の表現とは、障害者が独自に作った型を見せるということです。健常者が作った土俵に乗ることなく独自の世界観を提案していく。障害者独自の世界観というものは健常者には存在しないものですから、そこで勝負するべきです。バリバラの魅力は恐らくここにあるのではないでしょうか。

 

この辺の考え方は仕事の世界と同じです。もしあなたが牛丼屋を開業しようとして、上手い早い安いという軸で勝負を仕掛けたとしても吉野家に敵うはずがありません。なぜなら吉野家には規模をテコにした仕入れ、流通、オペレーションなど独自資産を持っており、それらは一個人で太刀打ちできるレベルの問題ではないからです。

ですから例えば地産地消にこだわるとか愛着のある接客とか高級路線とか吉野家にはない別の軸で勝負すべきです。

 

日本にはそういった視点で障害者の内面を表現をしている人達が存在します。

 

例えばこれ。

NEWS - public relations + pry

障害者が描いた絵をベースにデザインされた洋服が本当にクール。彼らの描く絵が独自の世界観を生み出していて、オリジナリティを高めています。

 

こんなのもどうでしょう。

 

SHOBU_otto & orabu

彼らが奏でる不揃いな音、不規則な音が独自のグルーヴを生み出し、心地よさへ変わってきます。民族音楽×フリージャズという感じ。

 

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視点を変え、型を変えれば、必ず障害者の生きてくる道が存在します。

少なくとも24時間テレビのような見せ方では、現場で関わった人以外には障害者の魅力は伝わらないように思うのですが皆さんいかがでしょうか。

 

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関連エントリ 

kikuo-tamura.hatenablog.com

 

 

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プロフィール

kikuo_tamura

社会福祉士 / ソーシャルワーカー

社会福祉法人 松の実会 評議員 / NPO法人 こども子育て・発達支援研究会 監事

H28年6月、重症新生児仮死にて長男が生まれたことから、医療的ケア児関連に特に興味があります。

趣味は登山、トレイルラン、子どもを追い回すこと。1985年千葉県生まれ。
ご意見、ご連絡はお気軽に下さい。とても励みになります。
【m.jiggler@gmail.com】