【実験】医療ケアが必要な子どもはどの程度苦しいのか。鼻水の吸引編
嚥下障害のあるせがれ、日々鼻から口から唾液や鼻水、痰などの吸引が欠かせません。自力でごっくんしてそれらを胃へ送れないので、放っておくと気道を塞いでしまったり、肺へ流れ込んで肺炎を起こしてしまったりします。在宅生活において吸引はケアの基本であり、かつ最も重要な手技と言っても過言ではありません。
方法としては、写真のような太さ1mm程のチューブを鼻の穴から10cmほど入れコンプレッサーで吸い込んでいきます。
これがなんとも痛そう!!
インフルエンザの検査をしたことはありませんか。あれと同じ感じです。せがれは泣くことはできないのですが、吸引中は涙を流し痛みに堪えているような表情。そんな顔を横目にすまぬーと思いながら吸引を行っていました。
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入院中から行っていた訓練の成果もあり、退院3日目にして結構こなれてきてます。お姉ちゃんと一緒にももクロちゃんのDVD見ながらアラームが鳴ったらちゃちゃっちゃーって感じで。無感情にハイ喜んで〜!と言ってるバイトみたいに。これなんかマズいな。
そんな訳で自分でもやってみました。
鼻腔からの吸引がどの程度辛いのか理解していなければ、ケアとは言えませんもね!
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先ほど10cm入れると書きましたが、チューブの先端は咽頭まで来ているそう。なかなか奥まで入っててビビります。
チューブを鼻に入れて準備ok、自ら押し進めていきます。妻は横でニヤついた顔。後でお前もやれよ!
体の内部に異物を入れていく感覚がなんとも恐ろしく、なかなか進みません。けど進めなければせがれの気持ちは理解できない!終始そのせめぎ合いでした。
体に管を入れていくという点で言えば、胃カメラと同じです。セルフ胃カメラって想像するだけで恐ろしいですよね。感覚としてはそれと似ている気がします。
粘膜なので刺激に弱く涙も出てきます。異物が入ってくるので唾液も多くなるのですが、ごっくんするとチューブが持っていかれそうでできない。慎重に少しずつ、チューブを落とさぬように進めます。カジキマグロを狙うため竿を死守する松方弘樹もこんな気持ちだったのかもしれない。
未知の恐怖感から呼吸も荒くなってきます。少しパニックになって、まだ!?まだ!?と妻に確認する僕。何がまだなのか良く分からない。そもそも入れてるの自分だし。また、大人の場合何cmで咽頭まで届くのか調べてなかったのでゴールが見えず、ひたすら進むしかありません。妻は相変わらずニヤついてます。お前も絶対やれよ!!
20cm位入れると慣れてきたのか少し楽しくなってきました。Mの意思が覚醒したのでしょうか、恐怖よりも未開の地を開拓して行く興味の方が勝ってきました。チューブが咽頭部まで届いている感覚はありません。のどちんこの数センチ手前まできている感じはあるのですが、いくら進めても咽頭まだかよーという感じ。チューブの長さは30cmで終わり。Mの意思は嵐を呼ぶことなく、この実験は終了したのでした。
調べて見ると大人の場合、鼻の穴から咽頭までは15〜20cm位らしい。じゃあ僕の残り10cmはどこいったのだろう。鼻腔内でグルグル巻かれてたんですかね。それはそれでなんか怖い。。
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■結論
吸引はカジキマグロを狙う松方弘樹のように慎重に行うこと。もう片手間ではやりません!