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NPOを意識高い系で終わらせないために。

平成28年6月末時点で、特定非営利活動法人(以下NPO法人)は51048法人もあるらしい。平成10年に特定非営利活動法人法が施行され、わずか18年の間に2000倍!以上の数に膨れ上がっており、社会問題、社会貢献や慈善活動の分野(最近ではソーシャル分野っていうのかな)に注目が集まっているのは、この数を見ていても納得出来る。

 

■参考 内閣府NPOホームページ

www.npo-homepage.go.jp

 

NPO法人と聞くと、何かよくわからないけどいいことやってる集団だなと、世間一般の方は思うではないだろうか。天災や社会問題が噴出するとクロ現やハートネットTVかなんかでNPOの活動が放送されたりするから、自己犠牲の精神で問題に向かっていく徳の高い集団と思っている方もいらっしゃるだろう。また、NPO法人法の施行が施行阪神淡路大震災時のボランティア団体の活躍に起因しているため、そう思うのも無理はない。

でも現場で見ていると、違和感を覚えることも多い。つまり、確かに徳は高いかもしれないけどそれって自己満足的な活動じゃない?と思ってしまう法人が多々あるのだ。その理由は何だろうか。

 

NPOの目的ってなんだ?

 

そもそもNPO法人の目的ってなんだろう。

それは、営利企業と比較すると分かりやすい。 

 

営利企業の目的はモノやサービスを売って利益を上げ、株主に配当することだ。だから企業の評価は、何個売れたという指標が軸になる。

 

一方NPOはどうだろう。

特定非営利活動法人というだけあって利益の配当が目的ではない。(ちなみに事業を通して利益を上げることは可能)

NPOの目標は、自分たちが定める社会的な使命を達成すること。だから、モノやサービスが売れた、という指標は軸にはなりえない。

例えばエイズ感染率を下げるためにコンドームを配布するなんてことはよくある話だけど、1万個配布したって感染率が下がらなければ、この活動は厳しい言い方をすると意味がない。コンドームを配布することは手段であって目的ではないからだ。

 

つまり、先の違和感の答えは、NPO法人なのに、営利企業のようにモノやサービスをどのくらい売ったのかという「アウトプット」ばかり気にして、本来の目的である社会的な使命の達成という「インパクト」まで考えられていない点にあるのだろう。

 

そういった視点でみると、ほとんどのNPOは自分たちが行ってきた活動ばかりアピールし、インパクトまで言及していない。測定していない。自分たちの善意を元にした活動が、イコール問題に対して有効であると言わんばかりに。

社会的な使命を達成することを目的としているのに、これって何かおかしくないか。

 

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ここまで考えてふと気づく。

 

インパクトの測定って超難しくない?

 

例えば子ども食堂。

過去のエントリで、その活動はリソースの貧困に寄与するのではと指摘したが、子ども食堂を利用していた世帯のリソース貧困率の向上ってどうやって測定すればいいのだろうか。パッと考えられるのは利用者アンケートだけど、それだけで客観的で信頼出来る数値が取れるのだろうか。

 

・関連エントリ

kikuo-tamura.hatenablog.com

 

 

自分が考えている障害者理解の問題もしかり。

 

仮に何かプログラムを実施したとしても、それが対象者の障害者理解に寄与したのか、受講した後、自分たちの生活に戻り行動の変化を起こすことができたのか、その測定方法まで考えておかないと、自分が投下した資金や時間、その他リソースが無駄になる可能性すらある。できれば定性的な評価だけではなく、定量的な評価も得ることが望ましいだろう。それができなければ、勘違いした意識高い系が行うものと同じになってしまう。cafeでmacbook叩くだけじゃ障害者理解なんか進むはずない。

 

しかし僕自身、今のところ、測定方法が思いつかないのである。うーむ。。。

 

何か良い知恵ある方、ぜひ教えてください。

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関連エントリ

 

kikuo-tamura.hatenablog.com

kikuo-tamura.hatenablog.com

 

 

 

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プロフィール

kikuo_tamura

社会福祉士 / ソーシャルワーカー

社会福祉法人 松の実会 評議員 / NPO法人 こども子育て・発達支援研究会 監事

H28年6月、重症新生児仮死にて長男が生まれたことから、医療的ケア児関連に特に興味があります。

趣味は登山、トレイルラン、子どもを追い回すこと。1985年千葉県生まれ。
ご意見、ご連絡はお気軽に下さい。とても励みになります。
【m.jiggler@gmail.com】